ハイセンスでおしゃれな「鉄筋コンクリート構造（RC造）」の家を建てることのメリットやデメリット
日本の住宅は注文住宅や建売住宅、そして各住宅によって用いている建築工法や構造などもさまざまであり、理想の家を建てるにあたり何をどのように選べばいいのかと非常に悩んでいる方も多いようです。
この建築工法や構造が一番とは言い切れませんが、理想の家に求める条件やそれぞれの建築工法、構造の特徴や、そのような家を建てることのメリットやデメリットをよく理解した上でどれが最も自分たちに適しているかを判断できるようになることが大切なポイントです。
そこで今回は、ハイセンスでおしゃれだと人気の「鉄筋コンクリート構造（RC造）の家を建てることのメリットやデメリット」についてまとめています。
目次
鉄筋コンクリート構造（RC造）とは？
今回ご紹介する住宅は「鉄筋コンクリート構造」です。
RC造とも呼ばれる建築構造の一つであり、鉄筋とコンクリートそれぞれの特徴をあわせ持った非常に耐震性に優れた構造をしています。
鉄筋コンクリート構造の素材には、文字どおり鉄筋とコンクリートを用いていることが大きな特徴です。圧縮に強いコンクリート内には引っ張りに強い鉄筋が埋められていることから、各素材のメリットやデメリットでお互いを補強し合いながら強力な耐震性をキープしています。
鉄筋コンクリート構造（RC造）のメリットについて
メリット（１）耐火性に優れている
鉄筋コンクリート構造のメリットに「耐火性に優れている」ということあります。
鉄骨コンクリートは躯体自体に燃えにくいという性質を持っていることから、非常に優れた耐火性能を有しているのです。
近年、建築業界は凄まじい進化を遂げており、木造住宅や鉄骨住宅にも強い耐火性能をもたらせるための試みが多く行われています。実際にその品質は年々上昇していることから、特定の住宅が極端に火に弱いということは少なくなってきているようです。
しかし、昔も今も変わらず高い耐火性能を有しているのは鉄筋コンクリート構造です。
そのため、ほかの建築構造の住宅に比べると「火災保険」の加入にかかる保険料は比較的安く抑えられるというメリットがあるのです。
メリット（２）耐震性能・耐久性能
耐火性能に優れていることに加え「耐震性能」、そして「耐久性能」に優れているのが鉄筋コンクリート構造のメリットです。
耐震性能は先にご紹介した特徴にも記載していますが、やはり引っ張りに強い鉄筋と圧縮に強いコンクリートを組み合わせて建てる住宅であることから、非常に高い耐震性能を実現することができます。
鉄筋コンクリート構造では、耐久性に優れているコンクリートを使っているので長く暮らすことができる住宅を構築できます。鉄筋自体は錆びやすいという弱点がありますが、周囲を覆うコンクリートの密度を高め、外壁をきちんとコーディングするなどのサビ対策を事前にしておけば建物の寿命を延ばすことができます。
メリット（３）遮音性に優れている
「家の中にスタジオを設けたい」、「周りに気をつかわずに思いっきり楽器を演奏したい」など、「防音」にこだわりたいという方には鉄筋コンクリート住宅がおすすめです。
鉄筋とコンクリートという重量の重い素材を用いる鉄筋コンクリートは、「遮音性」が高いことから防音効果があるとされています。壁をはじめ屋根や天井など、ありとあらゆる箇所がコンクリートで覆われていることから、ほかの建築構造に比べると非常に遮音性に優れた家を建てることができます。
鉄筋コンクリート構造（RC造）のデメリットについて
デザインや間取り、設備、使用など、すべてのことにこだわりを持った家を建てたいという方もいれば、地震などの自然災害に強い住宅を建てることを目的に数ある建築工法から一つを選ぶ方もいます。
地震などの強い揺れに強い住宅といえば、今回ご紹介している「鉄筋コンクリート構造（RC造）」が有名です。鉄筋コンクリート構造のメリットは耐震性能や耐久性能、耐火性、そして遮音性に優れていることです。
鉄筋コンクリート構造のメリットを抑えることも大事ですが、同時にデメリットをよく理解することで注文住宅づくりに用いる建築工法として選択するべきか否かを判断することができるでしょう。
デメリット（１）建築コストが高い
鉄筋コンクリート構造は、ほかの建築工法を用いた住宅に比べて「建築コストが高い」ことがデメリットといえます。
ほかの資材に比べて鉄筋コンクリートはとても重いことから、その重量が耐震性といったメリットを保っています。しかしその一方で、鉄筋コンクリートの重量に耐えられる強い地盤が土地にないといけません。地盤調査を行って土地の状態が分かれば、必要に応じて地盤改良が必要となることから、地盤改良工事にかかる費用などが建築費用にさらに上乗せされます。
そのほか、室内空間を快適に過ごすための断熱材の設置、結露を防止する換気システムの導入などの費用も加算されることから、ほかの建築構造よりも建築コストが高額になってしまうのです。
デメリット（２）結露対策が必要
鉄筋コンクリート構造に限らず、近年建築された住宅の多くが「結露対策」が必要な住宅とされています。
鉄筋コンクリート構造は気密度が高いことから、適切な対策をしておかないと壁や天井などあらゆる所に結露が付着してしまいます。そのため、このような結露防ぐためには「換気」がどれだけ出来るかが重要なポイントになります。
結露が大量につくとその部分からカビやダニが発生し、二次被害を受ける原因にもなりかねないため設計段階で適切な対策を練る必要があります。
まとめ
地震などの自然災害に強く、そして長く暮らすために「鉄筋コンクリート構造」の住宅を建てようと検討している方も多いでしょう。
今回ご紹介した特徴やメリット、デメリットのほかにも、さまざまな特徴を持つ鉄筋コンクリート構造は今後ますます注目されそうな建築構造です。このような特徴を多く抑えておくことと同時に弱点になりそうなことを知ることで、設計を行う段階で対処法などを練ることができるようになります。