家族の憩いの場である住まいづくりをするために「リビング階段を間取りに組み込もうかな」と検討している方も多いのではないでしょうか。リビング階段は、家を建てる目的やいっしょに暮らす人の年齢層などによって効果的に働く場合と、そうでない場合もあるちょっと慎重に決めたい間取りでもあります。
そこで今回は「リビング階段」という言葉をはじめて聞いたという人向けに、その特徴やメリット、デメリットを中心にいくつかご紹介します。
目次
リビング階段とは?
「リビング階段」は、リビング内に二階へと続く階段を設けた構造のことを指します。
リビングから廊下を通ることなく階段にアクセスできることから、住宅を吹き抜けにしたタイプの住宅に用いられることが多い種類の階段です。
◎リビング階段の特徴
リビング階段の最大の特徴は、「リビングに設置された階段である」ということです。玄関から二階にすぐ上るのではなく、必ずリビングを通ってから階段を上る形式です。家族が勢ぞろいするリビングを通って二階に上がることから、一人一人の顔が見えやすく、いっしょに暮らす人同士が顔を見合わせる機会が多くなります。
リビング階段のメリットについて
メリット(1)家族が顔を合わせやすくなる
リビング階段は、必ずリビングを通って階段を上るという特徴があることから「家族が顔を合わせやすくなる」というメリットがあります。
リビングの外に階段があるような間取りの場合は、玄関を入ってから誰とも顔を見合わせることなく二階へ上がれてしまうので、日によっては一度も顔を合わせずに過ごすことにもなりかねません。
このような状況を回避するには、リビング階段が非常に効果的であり、家族全員が顔を見合わせてコミュニケーションを図りやすい状態に導いてくれるのです。
メリット(2)廊下のスペースを削減できる
リビングに設置するリビング階段は、リビングの外に階段を設けることにくらべると「廊下のスペースを削減できる」というメリットがあります。
廊下のスペースが減ることで、ほかの場所、とくにリビングや玄関周りの収納庫などにスペースをより多く当てることができるようになります。
リビング階段を設けるためには、階段を設置するためのスペースをリビング内に確保しなければなりませんが、その代わりにリビング階段の下に収納スペースを作るといった工夫ができるので少しのデッドスペースも無駄にすることなく有効活用できるのです。
リビング階段のデメリットについて
デメリット(1)空気の攪拌が必要である
家族のコミュニケーションに効果的なリビング階段ですが、その一方でデメリットになりそうな点がいくつかあります。その一つともいえるのが「空気の攪拌が必要である」という点です。
リビング階段はリビングから二階につながる階段を設けることから、吹き抜けとセットで利用されることが多くなります。吹き抜け構造の弱点は吹き抜け部分に冷気が溜まりやすいことなので、冷暖房に関する対策をする別途行う必要があるのです。
リビング内に階段があることで、その空間から暖房の温かさや冷房の涼しさが二階へと逃げてしまいます。そのため、効果的な攪拌がされていないと、余計な電気量を使ってしまうという問題が起きてしまうのです。
デメリット(2)必ずリビングを通ることがストレスになる
家族が顔を見合わせる機会が多いというメリットがリビング階段にはありますが、その一方で、友人を家に招いたときに必ずリビングを通らなければならないことに「ストレスを感じる」場合もあるでしょう。
お子さんが小さな頃には常に行動を把握できるといった点からリビング階段は効果的とされているのですが、年頃になってくると必ずリビングを通るというリビング階段の良さが、かえってストレスに感じるといったことが少なからずあるからです。
メリットも多いリビング階段ですが、デメリットがあることも忘れずに間取りに設置するかどうかを慎重に決めるようにしましょう。
まとめ
新築一戸建ての注文住宅を建てるにあたり「家庭内でのコミュニケーションのしやすさ」を重視するというときには、「リビング階段」を間取りに取り入れるのがおすすめです!
リビング階段を間取りに入れることで沢山の効果やメリットがありますが、その一方でデメリットになる点ももちろんあります。それぞれの内容をよく理解したうえで効果的なリビング階段を設置することが、失敗のない間取りづくりをするためには大切なことだといえるでしょう。